水と研磨材の混合液(スラリー)を圧縮エアのパワーを使って噴射し加工する、ウェットブラスト(湿式ブラスト,液体ホーニング)技術の原理や技術情報、利用事例などをご紹介します。
ウェットブラストは加工技術の名前です。
液体ホーニングとも呼ばれるこの技術は、粒子( 固体の粒であればOK・・・、石、ガラス、プラスチック・・・etc)と液体(多くは水を使用、薬品を混ぜることもあり)を混ぜ、全体を均一に攪拌して泥水のような状態にします。これをスラリーといいます。このスラリーを専用の噴射ノズルから圧縮エアの力を使って高速に噴射します。このときのスピードはおよそ288km/Hr ~ 720km/Hr(80m/sec ~ 200m/sec) で新幹線並みの速さになります。
この高速に噴射されたスラリー(粒子と液体)が相手に当たると、スラリー内の粒子が物体を削ったり、叩いたり、こすったりします。
また、液体が削った粉や取り除かれた汚れ、粒子そのものを洗い流します。このような原理を使った加工技術をウェットブラストといいます。
おもしろいことに噴射されたスラリーは目で見えませんが、粒子、液体共に小さなツブツブとなって飛んでおり、相手に当たったときに大きな力が加わりません。したがって弱い品物にも形を崩さず噴射することができます。したがって、物体の表面のみの加工などに使われる技術です。
ウェットブラストは、大きく五つの特長があります。
ウェットブラストの基本的な仕組みは、ブラストタンクに溜ったスラリーをポンプで吸い上げ、 圧縮エアで加速してブラストガンから投射するというものです。 スラリーはブラストタンクに戻り、循環して使用されます。
本質的に使われている目的は大きく2つに分かれています。